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子供の頃、夏休みなどの長期休暇で宿題として出された読書感想文。
自由研究や絵日記と並んで時間と労力が掛かる、言わば宿題のラスボスでした。
正直、大人になった今でもいざ書くとなったら、どうやって書こう...?と書きだしから困ってしまうかもしれません。
それと同時に、こんな宿題があったら子供は余計に読書が嫌いになるんじゃないか?とも思ってしまいます。実際、私もそのうちの一人でした。
今回は、読書感想文の意義について考えてみたいと思います。
読書感想文とは
読書感想文の定義と歴史
読書感想文は、読んだ本の内容を自分なりに理解し、その上で感じたこと、考えたことを文章にする活動です。
その目的は、読書を通じて得た知見や感動を言葉に表現し、自己の内面を深めることにあります。
読書感想文は、学校教育の一環として取り入れられることが多く、特に夏休みの宿題として小学生から高校生までに課されることが一般的です。
読書感想文の起源や歴史については、特定の時点で始まったという明確な記録はありません。
しかし、文学作品や思想書などを読み、その内容に基づいて自分の考えや感情を表現するという行為は、古くから行われてきました。
近代教育が整備される過程で、読書感想文は読解力や表現力を養う手段として教育現場に取り入れられるようになったと考えられます。
読書感想文を書く目的
読書感想文を書く目的は、単に本の内容を要約することではありません。
読んだ本から受けた印象や、その本を通じて得た新たな視点や考えを、自分の言葉で表現することに重きを置いています。
このプロセスを通じて、以下のような様々な力が養われるとされています。
読解力の向上:
本の内容を理解し、自分なりに消化することで、読解力が養われます。
表現力の強化:
感じたことや考えたことを他人に伝えるために、適切な言葉を選び、構成を考える力が身につきます。
批判的思考力の育成:
本の内容に対して自分なりの意見を持ち、それを論理的に展開することで、批判的思考力が養われます。
創造力の発展:
本からインスピレーションを受け、新たなアイデアを生み出す力が育まれます。
また、読書感想文を書くことは、自分自身の感情や考えを振り返り、内省する良い機会にもなります。
自分がどのように本を理解し、それにどのように感じ、どう考えるのかを言葉にすることで、自己理解が深まり、成長につながります。
読書感想文を書いて得られるもの
読書感想文は、大きく分けて読む力と書く力が必要になります。
まず、大前提として本を一冊読み終えなければなりません。
これは、普段本を読まない人からするとかなりハードルが高いかもしれません。また、ただ読むだけではなく、理解しながら正しく読む事も必要です。読み方を誤ってしまうと、当然感想に影響が出てしまい、ちんぷんかんぷんな感想文となるでしょう。
そして、自分の感想を文字に起こす事は、一見簡単なようで難しいものです。
ただ、「面白かった」「悲しかった」だけではなく、何がどう面白かったのか?なぜ悲しい気持ちになったのか?など、詳細に理由を述べる必要があるからです。
さらに、そうした自分の感想を本の内容を織り交ぜながら順序立てて書いていく力も必要になります。
これらの事から読書感想文を書きあげた暁には、読む力と書く力の両方を得られると考えられます。
このスキルは後々、受験の時の小論文・大学でのレポート提出・卒業論文・仕事での資料作りなど、今後生きていく上で必要になるでしょう。
ざっくり言ってしまうと「自分の気持ちを文章で他人に伝えるスキル」が身に付けられますね。
特に、SNSが発達した現代社会においては、誰でもいつでもどこにいても情報発信が出来てしまいます。
読書感想文の宿題は昔からありますが、そこから得られる読み書きスキルはネット社会においても十分活用出来るのではないでしょうか。
読書感想文の重要性とは?
読書感想文は、多くの学生にとって学校の課題として馴染み深いものです。
しかし、この課題の真の価値は、単なる宿題を超えた深い意味を持っています。
では、読書感想文の重要性とは具体的に何でしょうか?
理解力と表現力の向上
読書感想文を書く過程では、まず本を読み、その内容を理解する必要があります。
その上で、自分の感想や考えを言葉にすることで、理解力と表現力が鍛えられます。
このスキルは、学業はもちろんのこと、日常生活や将来の職業においても重要な役割を果たします。
批判的思考力の育成
読書感想文では、単にストーリーを楽しむだけでなく、登場人物の行動や物語の展開について深く考え、自分なりの見解を形成することが求められます。
このような批判的思考は、物事を多角的に見る能力を育て、より賢明な判断を下す力につながります。
感情の理解と共感力の向上
物語には様々な感情が描かれています。
これらの感情を理解し、共感することで、他者の立場を理解する力が育ちます。
共感力は、人間関係を築く上で非常に重要な要素であり、社会生活を豊かにするために不可欠です。
自己表現の場として
読書感想文は、自分の内面や考えを表現する貴重な機会を提供します。
自分の言葉で感想を述べることで、自己理解が深まり、自己表現のスキルが向上します。
また、自分の意見を持つことの重要性を学ぶこともできます。
読書習慣の形成
読書感想文の課題を通じて、定期的に本を読む習慣が身につきます。
読書は知識を広げ、想像力を育むだけでなく、ストレス解消やリラクゼーションにも効果的です。
子供たちにとっての読書感想文
読書感想文は、多くの子供たちにとって学校の課題の一つですが、その背後には子供たちの成長と発達に対する深い意味があります。
では、子供たちにとっての読書感想文の役割とは何でしょうか?
想像力と創造性の育成
読書感想文を書くことで、子供たちは物語の中の世界を想像し、自分なりの解釈を加えることができます。
このプロセスは、想像力と創造性を豊かにし、物語を自分の言葉で再構築する能力を育てます。
読解力の向上
読書感想文を書くためには、まず本の内容を正確に理解する必要があります。
この活動を通じて、子供たちは言葉の意味や文脈を読み取る力を養い、より深い読解力を身につけることができます。
読書の楽しさの発見
読書感想文を通じて、子供たちは読書の楽しさや魅力を発見することができます。
本を読むことの価値を理解し、生涯にわたる読書習慣を築くきっかけにもなります。
読書嫌いになるのではないかという懸念
一方で、読書感想文が苦手な人にとっては、スキルを身につける前に読書自体が嫌いになってしまう可能性もあります。
多くの場合は、読み終えたとしてもどの様にして書けばよいのかわからない事が原因ではないかと思います。
個人的には、長期休暇という長いようで短い期間を、やり方が分からずにだらだらと読書感想文に費やしてしまうのは非常に勿体無いと思ってしまいます。
読書感想文に限らず、分からない問題はまず解き方を知ることが先決だと思います。
読書感想文のプレッシャー
学校の課題としての読書感想文は、しばしば子供たちにとって大きなプレッシャーとなります。
特に、内容の理解や感想の表現に自信がない場合、読書自体が負担に感じられることがあります。
このようなプレッシャーは、読書に対する興味や楽しみを奪う原因となることも。
読書の選択肢の重要性
子供たちが読書を楽しむためには、読む本を自分で選べる自由が重要です。
学校で指定された本だけでなく、自分の興味や好みに合った本を選べる機会を持つことで、読書の楽しさを感じることができます。
読書の環境を整える
読書嫌いを防ぐためには、読書のための快適な環境を整えることも大切です。
静かで落ち着いた空間、十分な照明、快適な読書スポットなど、読書に集中できる環境を作ることが助けとなります。
読書を共有する楽しみ
親や友達と一緒に読書を共有することも、読書の楽しさを高める一つの方法です。
一緒に読んだ本について話し合うことで、新たな視点を得たり、理解を深めたりすることができます。
読書へのポジティブなアプローチ
読書や読書感想文に対するポジティブなアプローチも重要です。
読書は楽しいものであり、新しい世界を発見する手段であるというメッセージを伝えることで、子供たちの読書に対する興味を引き出すことができます。
読書感想文の書き方のルールを知る
読書感想文は「感想文」といいながらも、ただ感想を書けば良いものではありません。
課題ごとに指定された図書や文字数などから構成を決めなければなりません。
本を選ぶ
読書感想文を書く前に、まずは読む本を選びます。
興味を持てる、または学ぶことが多い本を選ぶことが重要です。
選んだ本は最後までしっかりと読み、内容を理解しましょう。
主要なテーマやメッセージを理解する
本を読んだら、その主要なテーマやメッセージを考えます。
物語の中で最も印象に残った部分や、作者が伝えたいと思われるメッセージを把握することが大切です。
自分の感想をまとめる
読んだ本に対する自分の感想を素直にまとめます。
感動した点、考えさせられた点、共感した点など、自分の内面に訴えかけた部分を中心に書き出しましょう。
構成を考える
感想文の構成を考えます。
はじめに本の簡単な紹介、次に自分の感想、最後に読んだことによって得られた教訓や学びなどを書くと良いでしょう。
書き出しと結論
読書感想文の書き出しは、読者の興味を引くように工夫します。
また、結論では、読書を通じて得た学びや感じたことを総括します。
校正と推敲
書き終わったら、誤字脱字がないか、内容が明確かどうかをチェックします。
可能であれば、他の人に読んでもらい、フィードバックをもらうとさらに良いでしょう。
この本を選んだ理由や読む前のイメージ(実際の本の内容と違っていても良い)を書く。
全体の6~7割の分量で印象に残ったところを感想を交えて書く。自分の体験を入れたり、もし~だったらなどの仮定をしても良い。
まとめの感想や、読む前と印象や考えがどう変わったか、あるいは変わらなかったかを書く。
本を読んで自分は今後どうしたいか、作者は何を伝えたかったかを書くのも良い。
大体このような構成になるかと思います。
オリジナリティを出す方法
オリジナリティを出すためには、読書感想文に自分だけの視点を加えることが重要です。
自分の体験との関連付け:
読んだ本の内容が自分の経験とどのように関連しているかを書くことで、他の人とは異なる独自の感想文が書けます。
出来事、普段の考え、将来設計との結びつけ:
本から学んだことが自分の過去の出来事、日常の思考、または未来の計画にどのように影響を与えるかを述べることで、オリジナリティある感想文を作成できます。
深い分析と解釈:
表面的な内容だけでなく、その背後にある意味やテーマについて自分なりの解釈を加えることが、オリジナリティの源泉となります。
読書感想文の現状と問題点
読書感想文は教育の一環として長年にわたり行われてきましたが、その運用にはいくつかの問題点が指摘されています。
特に、インターネットの普及によるコピペの蔓延と、書き方に対する厳格な制約が挙げられます。
コピペの蔓延とその影響
インターネットの普及により、読書感想文のコピペが一般化しています。
検索エンジンで「読書感想文」を検索すると、著作権フリーの文例を提供しているサイトが上位に表示されることがあり、これがコピペを助長しています。
このような行為は、読書感想文の本来の目的である「自分の考えや感情を言語化する力を養う」ことを阻害し、学習者の批判的思考能力や表現力の育成を妨げる可能性があります。
また、著作権に関する意識の低下を招く恐れもあります。
書き方の制約と評価の問題点
読書感想文においては、文字数制限や構成に関する厳しい要求が課されることが多く、学習者が自由に表現することを阻害しているとの指摘があります。
例えば、800字以上の文字数制限や特定の構成を要求されることがあり、これらの制約は学習者にとって大きな負担となっています。
さらに、感想文の評価基準が明確でない場合、教師の主観による評価が行われることがあり、これが学習者のモチベーションを低下させる原因となっています。
このような現状は、読書感想文の有効性を損なう要因となっており、これらの問題に対処するための改善策が求められています。
読書感想文が本来持つ教育的価値を生かすためには、学習者が自由に思考し表現できる環境の整備や、評価基準の明確化が不可欠です。
まとめ
読書が娯楽なら読書感想文は課題です。
読書感想文は、やり方さえ覚えれば楽しく取り組める課題かもしれません。
もし、自分の子供が困っていたらぜひ一緒に取り組んであげて下さい。
自分の想いを文章できちんと伝えられる楽しさを感じてもらえたらきっと、読書嫌いの原因が読書感想文だったなんてことにはならないでしょう。
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